こんにちは。たま咲です。しばらくスタンから離れてWCS2010の考察をずっとやっていたのですが、当時の環境デッキの1つであるワタッコデッキを自分なりにうまくまとめられたので言語化しようと思います。目指す場所が単純で初心者でも回しやすいおすすめのデッキです。構築だけでなく入れ替え候補や、各種対面での立ち回りなども書いてありますので、ぜひ参考にしてください(何の?)。
・デッキレシピと各カードの採用理由
・ワタッコライン...4-3-4
このデッキのメインアタッカー。上技は草エネ1つでお互いの場のポケモンの数×10ダメージと少ないエネルギーで高火力を出すことができる強力な技。今回はふしぎなアメを3枚取ったのでポポッコを3枚にし、それ以外はフル投。当然だがこのデッキはいかに素早くワタッコを立てられるかにかかっている。
・キマワリライン...2-2
最も有名であろうワタッコデッキである、WCS2010シニア優勝のワタッコデッキには採用されていなかった草ポケモンを毎ターンサーチできるポケパワーを持つポケモンで、このデッキのエンジンの1つ。個人的にはエンジンが後述するネンドールのみの場合、ネンドールにヘイトが集中し、対ガブレンやレントGLラインを採用するデッキ対面ではネンドールが刈られ、安定してワタッコを立てられることが難しくなると感じたので採用。これらを採用することでシェイミLV.Xも立てやすくなるのも良い。
・ネンドールライン...2-2
WCS2010における屈指の壊れリソースで、このデッキの2つめのエンジン。ワタッコデッキにはネンドールを採用しない型もあるが、エネルギーを引けない、進化ラインが揃いきらないなどの問題が頻発するので、やはりハンドリソースを稼げるこのカードはワタッコデッキには必須かと。
・シェイミライン...ランドLV.X 1-1
ワタッコのHPは90と2進化にしては少なく、ワンパンされることも少なくないので、耐久盛りのために採用。ポケボディーで草ポケモンのHPを40追加でき、ワタッコのHPを130まで上げることができる。キマワリによりLV.Xも元も容易にサーチできるので、1-1と最少枚数での採用。
・ミツハニー...1
どうぐによりトラッシュからたねポケモンをベンチに出すことができ、ベンチを並べる必要のあるこのデッキにとって相性が良い。ただ、基本的にはキマワリやネンドールにより1体きぜつさせられても即座にベンチを埋められるので、それほど使う機会はないが、相手にヨノワールのやみのてのひらを使われた返しのターンで即座にベンチを埋められる貴重なカードなので採用している。
・ユクシー...2
言わずとしれた大量ドローカード。使うとベンチ枠を圧迫するが、このデッキはそもそもベンチを埋める必要があるデッキで、最悪2回使っても残りベンチ3枠でなんとかなるので2枚採用。
・アグノム...1
自由枠。自分はピン投のシェイミラインや、2枚採用の各ポケモンが2枚ともサイド落ちした時のケア手段が欲しかったので採用しているが、それらを仕方ないと割り切る場合は他のカードに変えても良いと思う。
・アンノーンQ...1
シェイミLV.Xは逃げるが1なので、シェイミをレベルアップしやすくするために採用。他にもハネッコ以外でスタートしたときの入れ替え手段としても使うことができる器用なカード。
・ポケモン通信...4
ポケモンの採用枚数が26枚と多いので初手で腐ることが少なく、中終盤ではキマワリと併せて使うことでデッキ内の好きなポケモンをサーチできるようになるため、最大枚数で採用。サーチ対象なしにすると手札を2枚減らすことができ、ネンドールやユクシーのドロー枚数を増やしたい時にも活躍する。
・ゴージャスボール...1
デッキの特性上ポケモンに触ることができるカード、特にグッズは多く採用したいので採用。デッキに採用しているLV.Xは1枚だけで、そのLV.Xはポケモン通信とワタッコによりサーチできるのでLV.Xをサーチできない制約はそれほど気にならない。
・ふしぎなアメ...3
ポポッコの枚数を1枚減らしているので採用。また、ワタッコに進化させる時以外でも、1ターン目にネンドールやキマワリを立てる時にも使える優秀なカードなので多めに採用している。
・たつじんのおび...2
ワタッコの打点は70から先は相手のベンチの枚数に依存するため、相手にうまくベンチの枚数を調整されると相手をワンパンできないことが起こりうるので、打点調整のために採用。HPを20増やす効果も強力。
・夜のメンテナンス...2
倒されたワタッコやトラッシュのエネルギーを山札に戻すカード。1試合でワタッコを6体立てるためには少なくとも2枚は夜のメンテナンスを採用する必要があり、加えてサイド落ちもケアして2枚採用。
・ワープポイント...2
あなぬけのひもとほぼ同じ効果のカード。このデッキは入れ替え手段に乏しく、かがやくまなざしでネンドールを呼び出されてロックされると動きが止まってしまうので入れ替え手段として採用。ポケモン入れ替えでないのは、ワープポイントはこのデッキ唯一の相手のベンチポケモンに攻撃する手段で、最後のサイドを取る際に使うこともできるため。
・ポケモンコレクター...3 ハマナのリサーチ...4
どちらもたねポケモンを複数枚サーチできるサポーター。ポケモンコレクターは3枚、ハマナのリサーチはたねポケモンと基本エネルギーを合計2枚サーチできる。このデッキでは一度たねポケモンを並べることができればそれ以降の維持はキマワリやネンドールを活用すれば容易にできるので、エネルギーもサーチできるハマナを多めに採用した。
・ミズキの検索...1
5枚目のポケモン通信として採用。ポケモンコレクターやハマナのリサーチによってたねポケモンを大量に展開したい時以外は基本的にサポーター権は余りがちなので手札で腐ることはあまりない。
・ジャッジマン...2
ドローソースではなく相手への妨害札として採用。こちらは手札が4枚になってもネンドールやキマワリによって即座に立て直すことができる。サナレイド対面では相手のテレパスでジャッジマンを使われると割と厄介なので使わないなど、対面を見て使うべきか否かを判断する必要がある。
・破れた時空...3
ふしぎなアメとは異なり1進化を飛ばすことはできないが、スタジアムなので存在する限りは永続的に使うことができるという差別化点がある。こちらを4枚採用にしてもいいが、相手がスタジアムを採用していない場合、2枚目以降は腐ってしまうので4枚採用は過剰だと感じ、3枚の採用にとどめた。
・基本草エネルギー...7
1試合でワタッコを最大6体立てるとしてそのために必要な草エネルギーは最低でも6枚で、サイド落ちや逃げエネとして使ったり、素引きしやすくなるように1枚増やして7枚採用した。ただ、夜のメンテナンスで補充できるので、7枚目は削ってしまっても問題ないかもしれない。
・採用しなかったカード
・レントラーGLライン及び基本雷エネルギー
相手の狙ったベンチポケモンを呼び出せ、また雷打点としても使うことができ、採用するとギャラドス対面やワタッコでワンパンできない相手、しのせんこくのゲンガーがいる対面がかなり楽になる。ただ、エナジーゲインを採用する枠を取ることが難しく、攻撃するためには草エネ+雷エネと2回の手貼りが必要となる点が気になったのと、ただでさえベンチ枠がきついのにレントラーをベンチに並べる余裕がないと感じたので不採用とした。採用する場合はベンチ枠に余裕がなくなるのでユクシーを減らすと良いかと。
・シェイミLV.Xスカイ
前の番に自分の草ポケモンがきぜつさせられていればそのターン中の草打点を60と大きく伸ばすことができる強力なカウンターカード。ランドLV.Xにより耐久力を伸ばして互いに2パンしあうか、スカイLV.Xにより打点を伸ばして互いにワンパンしあうかの選択になるが、スカイの場合はきぜつさせられた次のターン以外では効果を発揮せず、また+60では過剰打点なことが多く感じたので、どの対面でも活躍できるランドLV.Xの方を採用した。
・クロバットG、ポケターン
レントラーGLを採用する場合には打点調整としてこれらのカードを採用を検討できる。ただ、レントラーGLでも述べたように、このデッキはベンチ枠がきつく、クロバットGをベンチに出すことができない場面が多いことが予想されるので、採用する際はベンチ枠を慎重に管理する必要がある。
・アンノーンR
ベンチ埋めとデッキ圧縮の2つの役割をこなせるカードだが、このデッキにはベンチを埋めるための十分量のたねポケモンが採用されているので採用を見送った。ネンドールまたはキマワリラインを採用しない場合はベンチ埋めを楽にするために採用すると良い働きをする。
・プラスパワー
シニア優勝のワタッコネンドールに採用されていたカード。クロバットGとは異なり、こちらはベンチを圧迫することなく打点を伸ばすことができ、奇襲性に優れている。採用したかったが枠がなかったので断念。
・ポケドロアー+
ネンドールとの相性が非常に良いカードだが、カードの性質上採用枚数は0or4となり、4枚を採用できる枠がなかったので採用しなかった。デッキコンセプトは少し変わるが、キマワリラインをこのカードに変えるのも面白いかもしれない。
・ベンチシールド
ネンドールやキマワリのHPは80で、ガブレン対面でガブリアスC LV.Xのドラゴンダイブによりワンパンされリソースが厳しくなることがあるので、その対策として挙げられるカード。ただ枠が厳しいのと、プレイングである程度リソースを絞られた場合のケアはできるので採用を見送った。ガブレンが多い環境では活躍が大いに見込める。
・基本的な立ち回りと各種対面での立ち回り
回し方は至極単純で、1ターン目からデッキを回すカードやふしぎなアメ、破れた時空などをフル活用してネンドール、キマワリを立てながらワタッコの早期着地を目指す。ワタッコ着地後は手札またはベンチに次のワタッコを準備し、余ったリソースでシェイミLV.Xを立てたりジャッジマンで相手の動きを妨害しながら継続的に攻撃し、サイドを進めて行く。これ以降は環境デッキ対面での大まかな立ち回りや注意することなどを書いていく。
・対ガブレン
対面の練度にもよるが、基本的に相手はガブリアスC LV.XやレントラーGL LV.Xを使ってこちらのネンドールやキマワリをきぜつさせ、リソースを絞ってくるので必要以上にサーチカードは使わず、相手の行動に応じてサーチするカードを変えるなどの工夫が必要となる。ただ、この対面では基本的にスタジアムが貼り替えられることはなく、進化方法の工夫は必要としないので、工夫と言っても基本的には相手にきぜつさせられたポケモンを補充する方向で進めていけば問題ない。
また、ガブレン対面に限らずSPポケモンを多く採用しているデッキと対面するときは常にパワースプレーを使われることを考慮し、「ここを止められるとこの先数ターンの動きが止まってしまう」といった状況になることをできるだけ避けながらプレイする必要がある点には注意が必要である。
・対サナレイド系統
サナレイド対面ではシェイミLV.Xをいかに早く立てられるかが鍵となる。というのも、シェイミLV.Xがある場合はワタッコのHPは130となり、サーナイトのサイコロックを2発耐える、エルレイドのサイコカッターでワンパンするためにはサイド4表が要求されるなど、サイドレースがかなり有利になるためである。また、ワタッコはサナレイドによく採用されるカイリキーのおとすによりきぜつさせられないので、シェイミLV.Xさえ立てることができれば、かなり楽に立ち回ることができる。
ただし、相手がやみのてのひらヨノワールを採用している場合、こちらはベンチを4枚以上展開することが難しくなるので、打点を伸ばしづらく、相手を2パンでしか倒せなくなり、一層耐久を伸ばすことができるシェイミLV.Xの重要度が高まる。
他に注意することは、前述のようにこの対面ではジャッジマンを使うと相手のテレパスによって任意のタイミングでジャッジマンを使われてしまうようになるので、この対面ではジャッジマンは極力使わないようにすると良いだろう。
・対ギャラドス
この対面でもシェイミLV.Xが重要となる。3トラッシュテールリベンジの打点がちょうど90で、何もない状態だとワタッコはワンパンされてしまう。一方のギャラドスのHPは130で、何もないワタッコの最大打点である120ではワンパンすることはできない。なので、シェイミLV.Xを立てて相手のワンパン圏内から逃れ、たつじんのおびをつけてギャラドスをワンパン圏内に入れることがこの対面での最も重要なポイントとなる。ただ相手にベンチ枚数を調節されるとたつじんのおびがついていてもギャラドスをワンパンできなくなることもあるので過信は禁物である。前述のレントラーGLラインを採用するとこの対面はかなり楽になるので、回していて厳しいと感じたら採用を検討すると良いかと。
・対ゲンガー系統
正直ゲンガー対面はレントラーGLラインがないと厳しくなってしまう。というのもこちらは相手のポケモンを入れ替える手段がワープポイントしかなく、ゲンガーが2体立ってしまうとしのせんこくから逃れられず、しのせんこくのお祈りゲームとなってしまうためである。うまくジャッジマンにより相手の展開を妨害しながら速攻を仕掛け、しのせんこくでこちらのワタッコがきぜつさせられてもゲンガーをワンパンし続け、相手のゲンガーの展開を間に合わなくさせるしか明確な勝ち筋がないため、早さを意識した展開が求められる。
・対ヤミラミロック
こちらはわかりやすい速攻デッキなので、アカギの先制によって必要なキーパーツを落とされるとわかりやすく展開が止まってしまう。勝ち筋は先1アカギの先制の0表を祈り、後1からワタッコで攻撃し、相手のロックより先に展開を終わらせる上振れムーブぐらいのガン不利デッキ。
・対エンテイ&ライコウLEGEND
このデッキは展開をポケパワー持ちのHP80以下のポケモンに頼り切っているので、サンダーフォールを一度打たれると自分の場が壊滅してしまう上、こちらのワタッコはシェイミLV.Xを立てても弱点込みばくごうのうずでワンパンされてしまう。さらにHPが140とワタッコの最大打点+たつじんのおびの20でギリギリワンパンできるラインで、相手にベンチの枚数を絞られるだけで容易にワンパン圏内から逃れられてしまうガン不利デッキ。ベンチシールドの採用で前者は多少ケアできるとは言え焼け石に水感があるので、この対面は事故だと思って割り切るのが良いだろう。